ID:A00316-00011-10291
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第58回(社)全日本鍼灸学会学術大会

パーキンソン病患者のストレス度に対する鍼灸治療の影響

○工藤祥貴2,福田晋平2,渡邉豊久2,江川雅人3,松本勅3,廣正基4,矢野忠4

1明治国際医療大学 鍼灸学部,2明治国際医療大学 大学院,3明治国際医療大学 加齢鍼灸学教室,4明治国際医療大学 健康・予防鍼灸学教室)

【目的】パーキンソン病(Parkinson Disease : PD)のストレスに対する鍼灸治療の影響を、治療前後の唾液アミラーゼの測定値により検討した。【方法】対象は明治国際医療大学附属京都駅前鍼灸センターPD鍼灸治療専門外来を受診した11名(男性2例、女性9例)。平均年齢64.6±5.8歳、平均罹病期間51.3ヶ月、H-Y重症度分類はI度5例、II度4例、III度2例であった。ストレスの指標である唾液アミラーゼの測定にはニプロ株式会社製ストレス測定器「COCORO METER」を用いた。測定は、口腔内を水道水で洗浄した後、唾液採取チップを舌下に挿入し、鍼灸治療の前後で測定した。測定値より>30KU/l以上をストレスありと判定した。鍼灸治療は弁証論治を中心に、症状に合わせた施術を行った。【結果】鍼灸治療前の唾液アミラーゼ値は11例中9例で30KU/l以上(9例の平均82.6±45.0)を示し、PD患者の多くがストレス状態にあることが示された。また唾液アミラーゼ値は、重症度(I、II度群:58.6KU/l vs III度群:77.3KU/l)や年齢(65歳未満群:49.3KU/l vs 65歳以上群:92.2KU/l)による差が認められた。鍼灸治療後では11例中10例で低下し、68.8±48.2→26.0±29.4となった。30KU/l以上を示した9例では全例で低下(82.6±45.0→30.4±32.7)を示した。重症度や年齢による変化に差は認められなかった。【考察】鍼灸治療後に唾液アミラーゼが低下した事から、鍼灸治療が本疾患患者のストレスを軽減すると思われた。近年報告した鍼灸治療によるPDの自律神経症状や精神症状の改善効果にはストレスの緩和が関連している可能性が考えられた。【結語】鍼灸治療はPDのストレスを緩和する効果を有すると示唆された。

Keywords: パーキンソン病; 鍼灸; 唾液アミラーゼ; ストレス;


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