ID:A00316-00005-10010
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第53回(社)全日本鍼灸学会学術大会

073

パーキンソン病における鍼灸治療の効果について

○小野里篤子1,水嶋丈雄1

1長野・水嶋クリニックNPO東洋医学研究所)

【目的】中国では、パーキンソン病に鍼灸治療が行われ上海医薬大などから有効率85.7%と報告がある。しかし本邦では、パーキンソン病が鍼灸の適応となっていない。そこで、鍼灸治療がパーキンソン病に効果があるのか検討した。
【方法】当院を受診したパーキンソン病患者のうち、パーキンソン症候群を除く65名(平均年齢61.3±1.1歳)を対象とした。治療前に血液検査を行い、リンパ球(Ly)SOD活性(SOD)参考値として血中ドーパミン濃度を測定した。評価法としてYahr度重症度分類、自覚・他覚症状の点数表(SCORE)を用いた。週1回の治療を基本とし3ヵ月後に、再び同じ項目を調査した。患者の内訳は1肝風内動、2血虚生風、3腎虚生風他。長さ30mm、太さ0.14mmのセイリンディスポ針にて1太衝、陽輔、百会、肝兪、腎兪、2太衝、三陰交、肝兪、膈兪、3太谿、太衝、復溜、肝兪をそれぞれ刺鍼した。次に自律神経免疫療法、頭皮針を行った。その他患者個々の症状に合わせ配穴を加えた。
【結果】[Ly](前)33.2±1.4%(後)38.9±1.2%(p<0.001)[SOD](前)2.7±0.1U/ml(後)2.9±0.2U/ml(p<0.001) [SCORE](前)10.4±0.8(後)5.6±0.6(p<0.001)血中ドーパミン濃度はL-ド―パ内服量によって数値に差があるため、1000pg/ml以上、以下にわけた。1000pg/ml以上(前)2081.41±66.3(後)1460.8±200.6pg/ml(p<0.01)、 1000pg/ml以下(前)75.1±5.2pg/ml(後)128.4±36.9pg/ml(p<0.001)
【考察】今回リンパ球、SOD活性の数値はいずれも有意に増加した。血中ドーパミン濃度が1000 pg/ml以上の場合は有意に減少し,1000 pg/ml以下の場合は有意に増加した。
【結語】リンパ球増加は、副交感神経刺激を示し、L‐ド―パの投与量を変えていないのにもかかわらず、血中ドーパミンの値が過剰な場合は減少し、少ない場合は増加したことは、自律神経と活性酸素を介する鍼灸治療の自律神経調節が働き症状改善に繋がると考えられる。

Keywords: パーキンソン病; リンパ球; 自律神経免疫療法; 血中ドーパミン; SOD活性;


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