ID:A00316-00007-10198
論文・抄録の閲覧申し込みについては こちら をご参照ください。
アクセス制限の仕組みについては こちら をご参照ください。

≪ご留意事項≫
現在、学会誌(論文誌)の抄録本文、論文本文は本文そのものについては、この検索画面では参照できません。
本文そのものをご参照される場合には、 一般公開検索画面、 または、 登録者用検索画面 TOPより【学会誌(論文誌)等 】の学会誌別検索画面をご利用ください。


第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会

鍼通電刺激がパーキンソン病のすくみ足に有効であった一症例

○山口賢1,大勝孝雄1

1大勝鍼灸治療院プライマリィ)

【目的】パーキンソン病の歩行障害のひとつであるすくみ足は無動と関連した症状と考えられ、QOL,ADLの阻害因子として重要である。前回、我々は小字症に対し鍼通電刺激を行い有効な結果を得た。そこで今回、すくみ足に同方法を行ったのでここに報告する。【症例】69歳、男性。診断名:パーキンソン病。現病歴:平成12年4月、左口角からの流涎と右手の振戦で発症。平成14年までは公共交通機関を利用し外出可能。平成15年より動作緩慢、すくみ足を自覚し徐々に歩行困難となる。所見:Yahr分類stage4、振戦は無く固縮は頚部にやや強く四肢では軽度、すくみ足が著明であり基本動作は時間を要するが自立。【方法】動作課題として訓練室内の10mの歩行路を合図とともに歩き始め、方向転換し開始地点へ戻るまでをビデオカメラで記録した。評価は歩行開始時間、10m歩行時間、方向転換時間、全動作課題における歩数について鍼刺激前後の歩行状態を比較した。両側合谷穴、曲池穴へ刺入し鍼通電器を使用して刺激頻度1Hz、15分間行った。【結果】鍼刺激前後で歩行開始時間(5sec→0sec)、10m歩行時間(12sec→9sec)、方向転換時間(15sec→6sec)、全動作課題における歩数(51歩→39歩)となり所要時間の短縮、歩数の減少が認められ歩行状態が改善された。【考察・結語】パーキンソン病のすくみ足は基底核-補足運動野系の内発性随意運動の障害、特に運動のプラン・プログラミングの障害が原因と考えられている。そこで今回の結果は、鍼通電刺激頻度1Hzによる一定リズムのメトロノーム効果が外発性随意運動を惹起し、さらに合谷穴-曲池穴の経穴刺激による脳血流増加作用が基底核ループに何らかの影響を与え歩行状態の改善へ繋がったと考えた。パーキンソン病において鍼治療はQOL,ADL向上への有用性が高いものと考えられる。

Keywords: パーキンソン病; すくみ足; 歩行状態評価; メトロノーム効果; 鍼通電刺激;


前に戻る | ホームページへ戻る

ご要望はこちらの問い合わせフォームにご入力ください。


Released Ver.0.4.0