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第58回(社)全日本鍼灸学会学術大会

脳血管性パーキンソン症候群に対する鍼灸治療の長期効果

○保科貴洋1,水嶋丈雄1,長濱克昭1,篠原利枝子1,松本千代1

1水嶋クリニック NPO法人東洋医学研究所)

【目的】我々は第57回大会においてパーキンソン病に対する鍼灸治療の5年及び10年間の長期効果について報告した。この度は脳血管性パーキンソン症候群において鍼灸治療併用群と薬物治療単独群の2群についてホーン・ヤール度とUPDRSの長期成績を検討したので報告する。
【方法】脳血管性パーキンソン症候群と確定診断されインフォームドコンセントの得られた症例を無作為に鍼灸治療併用群(1群)と薬物治療単独群(2群)に分類した。1群:症例数32例、平均年齢68.8±6.9歳、平均罹病期間5.4±0.9年、L-DOPA最大内服量218.8±139.6mgで薬物治療と鍼灸治療を併用した。2群:症例数29例、平均年齢71±7.0歳、平均罹病期間5.7±0.8年、L-DOPA最大内服量289.7±191.5mgで薬物治療のみとした。鍼灸治療は弁証に基づき01番ディスポ針を用いて月に2回から4回施術した。3ヶ月毎にヤール度及びUPDRSII・IIIを測定した。
【結果】ヤール度において1群は発症後経年毎に平均1.1±0.2、1.2±0.3、1.3±0.4、1.5±0.5、1.5±0.4。2群は1.1±0.3、1.5±0.6、1.8±0.7、2.2±0.8、2.4±0.9となった。UPDRSIIにおいて1群は経年毎に平均6.4±4.0、8.3±5.1、9.4±5.1、10.8±5.4、12.1±6.0。2群は5.7±3.7、8.8±4.6、11.0±6.0、12.8±5.5、15.5±6.9となった。UPDRSIIIにおいて1群は経年毎に平均10.6±6.2、12.9±5.7、14.0±6.4、15.2±7.5、16.5±5.9。2群は10.7±5.1、13.8±6.8、17.1±8.9、20.8±9.6、23.0±11.1となった。ヤール度及びUPDRSIIIにおいては有意差が認められた。(ヤール度 p<0.0002)(UPDRSIII p<0.05)。UPDRSIIでは5年目において有意差が認められた。(p<0.04)
【考察】脳血管性パーキンソン症候群において初期の病状より鍼灸治療を併用することにより長期における進行の抑制が示唆された。また1群は2群より平均L-DOPA内服量が70.9mg少なく、鍼灸治療を併用することにより、L-DOPA内服量の抑制が示唆された。

Keywords: 脳血管性パーキンソン症候群; ホーン・ヤール度; UPDRS; 鍼灸治療併用群; 薬物治療単独群;


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