ID:A00316-00039-10035
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第63回(公社)全日本鍼灸学会学術大会

074 2-P-TA-10:48

L-DOPA忌避のパーキンソン病症例に対する鍼灸治療の長期効果

○保科貴洋1,水嶋丈雄1,山内清敬1,宮島英子1,今井千春1,真栄城健1

1水嶋クリニック NPO法人東洋医学研究所)

【目的】我々は第57、61回大会においてパーキンソン病に対する鍼灸治療の長期効果について報告した。この度はL-DOPAの内服を忌避するパーキンソン病症例に対して鍼灸治療を行い、ホーン・ヤール度とUPDRSII・IIIの長期成績を検討したので報告する。
【方法】神経内科にて頭部MRI、心筋シンチグラフィー等の検査を行いパーキンソン病と確定診断されインフォームドコンセントを得られた症例に対し鍼灸治療を行った。症例数17例(男性7例、女性10例)、平均年齢61.2±6.2歳、平均罹病期間7.2±2.3年。血管性パーキンソン症候群、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症等のパーキンソン症候群は除外した。鍼灸治療は弁証に基づきセイリンディスポ針にて月に2回から4回施術した。3ヶ月毎にヤール度及びUPDRSII・IIIの測定を行った。
【結果】ホーン・ヤール度は経年毎に1、1.1±0.2、1.2±0.4、1.5±0.4、1.6±0.5となった。UPDRSIIは経年毎に3.8±1.7、4.8±2.4、5.6±3.1、6.3±2.8、6.7±3.1となった。UPDRSIIIは経年毎に5.8±3.6、7.8±4.7、9.2±4.1、10.2±4.9、12.3±7.3となった。5年経過時において17例中4例がヤール度1、7例がヤール度1.5、4例がヤール度2、2例が2.5となった。
【考察】パーキンソン病患者に対し初期の病状より鍼灸治療を加えることにより、L-DOPA忌避の症例に対しても症状の進行抑制が示唆された。但し進行抑制がみられない症例もあり、進行抑制がみられない場合はL-DOPAの内服が必要であると考えられる。また、パーキンソン病の治療において、L-DOPA内服によるウェアリングオフやジスキネジア等の問題があるが、鍼灸治療を施術することによりL-DOPA治療開始の遅延や内服量の抑制が可能であると示唆された。

Keywords: パーキンソン病; L-DOPA; ホーン・ヤール度; UPDRS;


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