ABSTRACT 710(P1-1)
 ポスターセッション一覧 トップ 


N-ニトロソ化合物の体内動態についての研究:日野浩司1,唐木芳昭2,日野朋美3,安斎 裕1,沢田石勝1,塚田一博1(富山医科薬科大学・1医・二外,2更埴中央病院・外科,3富山医科薬科大学・薬・薬剤)

Phrmacokinetics of N-nitrosamines: Koji HINO1,Yoshiaki. KARAKI2,Tomomi HINO3,Yutaka ANSAI1,Masaru Sawataishi1,Kazuhiro TSUKADA 1 (1Second.Dept.Surg.,Fuc.Med.,3Dept.Pharm.,Fuc.Pharm.Sci. Toyama Med.and Pharm.Univ.2 Dept.Surg.,Kousyoku Chuo Hospital.)

【目的】N-Nitrosodimethylamine(NDMA)とN-nitrosodiethyl-amine(NDEA)は発癌作用を有するニトロソ化合物である。我々は以前,NDMAとNDEAの体液中濃度を測定し、担癌患者において,高濃度を呈することを報告した.今回は生体にNDMAを投与しその体内濃度(血中,唾液中,腸管内)を測定し,唾液循環系を検索すべく,体内動態の解析を試みた。【方法】1)イヌにおいて経静脈的にNDMAを投与し,血液中のNDMA濃度を測定した。2)また経時的に唾液中のNDMA濃度を測定した。3)ラットの小腸を用い,NDMA溶液を潅流させ,NDMA濃度を測定し,NDMAの消化管吸収性を評価した。【結果】1)イヌに於いて経静脈的に投与されたNDMAの血清濃度は指数関数的に減少した.2)分泌された唾液中NDMA濃度は,血中濃度に相関していた。3)NDMAの腸管吸収過程は一次吸収過程であることが明らかになった。【結論】今回の実験にて,NDMAは消化管より吸収され,血中に移行し,唾液腺より分泌される事が判明した。NDMAが,唾液循環系を介して,消化管に,何らかの影響を与えている可能性が示唆された。