ABSTRACT 714(P1-2)
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紫外線感受性遺伝疾患 - 色素性乾皮症異型接合体細胞の DNA 損傷修復能の解析:石垣靖人、二階堂修(金沢大・薬・分子細胞薬学)

Evaluation of UV-induced DNA damage repair efficiency in XPA-heterozygous fibloblast cells : Yasuhito Ishigaki, Osamu Nikaido (Dept. Radiat. Biol., Kanazawa Univ.)

 色素性乾皮症(XP)異型接合体は、外見上は異常は認められないとされているが、正常人と比較すると DNA 修復機構の量的あるいは質的異常を持つことが予想される。本研究では、XP 異型接合体が紫外線感受性か否か、DNA 修復能が部分的に欠損しているか否か、を培養細胞の解析から明らかにすることを試みた。日本人 XP-A 群患者線維芽細胞 8 種類、その両親由来線維芽細胞(XPA 異型接合体細胞) 14 種類および正常人線維芽細胞 4 種類を収集した。PCR-RFLP 解析から、全ての XPA 遺伝子変異はイントロン3での G から C への変異であり、XPA 異型接合体細胞の XPA タンパク量は正常細胞に比べて半減していた。紫外線感受性を測定したところ、XPA 異型接合体細胞群は正常細胞群よりもわずかに紫外線感受性を示したが、有意な差は認められなかった。UVC 紫外線照射後の DNA 損傷量の測定を行い正常細胞群と XPA 異型接合体細胞群間での DNA 損傷修復動態を比較すると、(6-4) 光産物の修復動態に差は認められなかったが、シクロブタン型ピリミジン二量体の修復動態において、 XPA 異型接合体細胞群は照射後9時間以降にわずかな遅れが観察された。