ABSTRACT 716(P1-2)
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太陽光によって誘導されるファージ M13mp2 の変異スペクトラム、光量の増加による変異内容の変化:梁松珠1, 早津彦哉2, 根岸和雄11岡山大・遺伝子施, 2岡山大・薬)

Spectrum of Mutation in Phage M13mp2 Induced by Sunlight Exposure, Change in the Spectrum on Increasing the Exposure Dose : Song-ju YANG1, Hikoya HAYATSU2, Kazuo NEGISHI1 (1Gene Res. Center, 2Fac. Pharm. Sci., Okayama Univ.)

紫外線が突然変異や皮膚がんなどを誘発することはよく知られている。太陽光そのものを使った研究の例はあまりない。そこで、我々は太陽光と UVB を一本鎖 DNA を持つファージ M13mp2 に照射し、その変異スペクトラムを調べた。太陽光照射は岡山大学、那覇気象台および札幌気象台の屋上で行なった。UVB 照射はトラスイルミネーター( peak 313 nm )を用いた。照射後のファージを大腸菌に感染させ、IPTG, X-gal 存在下プラークを形成させた。無色又は淡青色を呈するプラークを単離し、lac-promoter-lacZα 領域の変異を調べ、変異頻度と変異スペクトラムを検討した。太陽光を照射した場所による差はなかった。太陽光照射時間つまり、紫外線照射量により変異スペクトラムが異なる結果を示した。即ち、線量が少ないときは C から T への transition の頻度が高く、UVB 照射による変異スペクトラムとよく似ていた。しかし、線量が多くなると、C から T への変異頻度が下がり、 G から C への transversion の頻度が高くなった。変異原の dose を増すと変異スペクトラムが変化することは興味深い現象である。