ABSTRACT 721(P1-3)
 ポスターセッション一覧 トップ 


マウス脳での紫外線光産物の検出 : 井出文雄1 、飯田直子1 、中鶴陽子1 、二階堂修2、田中亀代次3 、石川隆俊1 (東大・医・分子病理1 、金沢大・薬・分子細胞薬2 、阪大,細胞セ3

Detection of UV-photoproducts in mouse brain : Fumio IDE1 ,Naoko IIDA1 ,Yoko NAKATSURU1 ,Osamu NIKAIDO2, Kiyoji TANAKA3 , Takatoshi ISHIKAWA1 (1 Dept. Mol. Pathol., Univ. of Tokyo, 2 Div. Radiat.Biol., Fac. Pharma. Sci., Kanazawa Univ., 3Inst. Mol Cell Biol., Osaka Univ )

〔目的〕紫外線照射により細胞DNAは種々の損傷を生ずる。我々は今までに、紫外線光産物をマーカーとして皮膚におけるDNA除去修復の過程を詳細に検討してきた。今回、脳に本法を応用し、中枢神経細胞のDNA修復をin vivo で免疫染色により検出することに成功した。
〔方法〕種々の条件下に紫外線Bを照射した、3ないし8週齢の雄ICR、 XPA(-/-)、 (+/-)、 (+/+)の各マウスの大脳、小脳のホルマリン固定・パラフィン切片についてチミン2量体、6-4光産物を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いて免疫染色を行った。
〔結果〕大脳皮質の錐体および顆粒細胞、小脳のプルキンエおよび顆粒細胞核の両光産物の染色濃度は照射線量に依存して増加した。ICR、XPA(+/-)、(+/+)マウスでは脳神経細胞でのチミン2量体はゆっくりと除去され、皮膚の上皮細胞に比べると効率が低かった。XPA(-/-)では光産物はほとんど除去されず、きわめて低線量で神経細胞のアポトーシスがおこり、脱落した。このことはXPA(-/-)マウスの脳神経細胞は皮膚と同様に紫外線高感受性であることを示唆している。