ポスターセッション

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マウス腺胃発癌におけるカテコールの効果─低濃度での検討：大前岳人^1,2,稲田健一¹,清水伸幸^1,3,吉川朱実^1,3,吉田憲二²,立松正衞¹（¹愛知がんセ・研・1病理，²愛知学院大・歯・1口外,³東大・医・消化管外科）

Promoting effects of low dose catechol administration on mouse glandular stomach carcinogenesis.: Gakuto OHMAE^1,2,Ken-ichi INADA¹,Nobuyuki SHIMIZU^1,3,Akemi YOSHIDA^1,3,Kenji YOSHIDA²,Masae TATEMATSU¹ (¹Lab. of Pathol., Aichi Cancer Center Research Institute,²1st Dept. of Oral Maxillo-Facial Surg,Sch. Dentist. Aichi-Gakuin Univ. ³Dept. of Gastrrointestinal Surg.,Univ. of Tokyo)

（目的）我々はこれまで，食品中に含まれる抗酸化物質カテコールの高濃度(500, 2,000, 8,000 ppm)でのマウス腺胃粘膜傷害・発癌促進作用を報告してきた．今回は，ヒトが実際に曝露される量に相当する低濃度での影響を検討した．（方法）６週齢BALB/c雄マウス130匹を用いて，N-methyl-N-nitrosourea (MNU)120 ppmを隔週６週間計３週間飲水投与し，実験開始後６週目よりカテコール（4, 20, 100, 500 ppm）を食餌中に混入し自由摂取させた．50週後に屠殺，腺胃を病理学的に検索した．対照として，MNU，カテコール各単独投与群を設けた．（結果）MNU＋カテコール投与群では，すべての濃度で腺腫ならびに腺癌を生じたが，両者を合計した各群の発生頻度は29,41,41,54各%，癌のみでは2,5,2,6各%であり，MNU単独投与群（同46，0各%）と比較すると有意差は認められなかった．（考察）高濃度カテコール投与実験では，濃度依存性の腺胃粘膜増殖促進作用が観察されており，500ppmが作用の閾値となっている可能性が示唆された．