ABSTRACT 727(P1-4)
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Helicobacter pyloriと胃発癌−無菌マウスを用いて−
長島 徹,金澤曉太郎自治医大・外)

Gastric carcinogenesis in germ-free mice by administration of N-Methyl-N-Nitrosourea and infestation of Helicobacter pylori : Toru NAGASHIMA,Kyotaro KANAZAWA(Dept. of Surg., Jichi Medical School)

Helicobacter pylori(H.P.)感染と胃発癌との関連を明らかにするために、生後7週齢の無菌C3Hマウスと通常化したC3Hマウスを使用して、N-Methyl-N-nitrosourea (MNU)40ppmを20週投与し、47週目に犠生死させ胃腫瘍発生率をもとめた。無菌マウス20週目でH.P.を感染させた群と、させなかった群との胃腫瘍発生率を比較した。H.P.感染は、H.P.培養で感染を確認した。無菌群では、有為差(p=0.0001)をもって胃腫瘍発生率が高かった。しかしながら、H.P.感染の有無で、胃腫瘍発生率に有為差は認められなかったが、オッズ比(O.R.)は4でH.P.感染群が高かった。 無菌群で胃腫瘍発生率が高かったことは、腸内細菌叢が何らかの免疫機構に影響を与えていることが示唆された。H.P.感染群では、胃腫瘍発生率に有為な差はなかったものの、O.R.=4より関連性が示唆され、H.P.感染と胃発癌とに因果関係があると思われた。