ABSTRACT 738(P1-5)
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胆管細胞癌の発生増殖と胆管上皮における細胞学的解析:宮越稔、木南義男、藤川孝三郎、(金沢医大・総医研)

Cytological analysis of cholangiocarcinomas and bile duct epithelial cells : Minoru MIYAKOSHI , Yoshio KINAMI , Kohzaburo FUJIKAWA ( Med.Res.Institut., Kanazawa Med.Univ. )

(目的)ハムスターのDiisopropanolnitrosamine(DIPN)誘発胆管細胞癌と増殖細胆管の細胞増殖能に及ぼす胆汁酸負荷の影響をnucler area とPCNAについて検索した。(方法)ハムスターを用い、DIPN500mg/Kg/Weekの頻度で10週間腰部皮下に投与した。投与開始後、標準飼料並びに胆汁酸含有飼料で飼育し、各群に分類した。また、経時的に肝組織を摘出し、パラフィン切片による標本を作成した。それらの胆管細胞癌および胆管上皮の細胞変化について細胞核面積測定ならびにPCNA陽性細胞率を比較検討した。(結果・考察)各群の各病巣の平均細胞核面積は経時的に増大する傾向を示した。また、DCA群のPCNA陽性細胞率は、全ての週において対照群に比し、有意に高かった。一方、核面積とPCNA陽性細胞率との関係をみると、胆汁酸負荷群の細胆管および嚢胞状細胆管病巣において有意に相関が認められた。これらの結果から胆汁酸負荷が胆管上皮細胞の増殖能を促進していると思われる。