ABSTRACT 746(P1-6)
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子宮内膜発癌に対するタモキシフェン(TAM)、トレミフェン(TOR)の影響:橋本 緑 1 ,丹羽憲司 1 ,伊藤恒夫 1 ,杉江茂幸 2,森 秀樹 2 ,玉舎輝彦 1 (岐阜大・医・ 1 産婦, 2 第 1 病理)

Effect of tamoxifen or toremifen on mouse endometorial carcinogenesis: Midori HASHIMOTO,1 Kenji NIWA,1 Tsuneo ITOH,1 Teruhiko TAMAYA,1 Shigeyuki SUGIE, 2 Hideki MORI2 (Depts. of 1Obstet. & Gynecol.,2 Pathology, Gifu Univ. Sch. Med. )

[目的]抗エストロゲン(E)剤である、TAM、TOR は乳癌治療剤として良好な成績が得られているが、その内在するE作用が子宮内膜に影響を及ぼすことも懸念され、実際、TAM長期投与後の内膜病変の報告もある。対照的にTORはTAMに比して内膜に対する影響は少ないと考えられている。今回、我々は子宮内膜発癌に対するTAM、TORの影響を検討したので報告する。[方法]実験(1)F344ラット子宮内膜細胞を分離・初代培養し、TAM、TORにそれぞれ暴露し不定期DNA合成能(UDS)を検討した。(2)去勢した ICR 雌マウスにTAM,TORを投与し、中期的(2週間経口連続投与)影響を、マウス子宮におけるfos/jun mRNAおよび蛋白発現で検討した。(3)ICR雌マウスにMNUにてinitiation 後、TAM/TOR±E2を各投与し、それに対する影響を検討した。[成績](1)ラット子宮内膜のUDSは、TAMとTORは陰性であった。(2)fos/jun mRNAおよび蛋白発現は陽性コントロールE2≫TAM>TORの順であった。(3)腺癌および内膜増殖症発生頻度からみた、発癌促進性はE2>TAMの順であった。[結論]TAM、TORは内膜細胞に対しても明らかな変異原性を示さなかったが、内膜に与える影響は大きく異なっている可能性が示された。