ABSTRACT 747(P1-6)
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マウス子宮発癌におよぼすタモキシフェンの影響:高橋正一、吉田 緑、安藤 進、前川昭彦(佐々木研・病理)

Effect of tamoxifen on endometrial adenocarcinoma development in mice:Masakazu TAKAHASHI, Midori YOSHIDA, Jin ANDO, Akihiko MAEKAWA (Dept. of Pathol., Sasaki Inst.)

【目的】マウス子宮内膜腺癌発生におよぼすタモキシフェン(TM)の影響をN-ethyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(ENNG)とエストロジェン(E2)によるマウス子宮二段階発癌法を用いて検索した。
【方法】CD-1マウス雌を用い、24時間照明下で飼育した性周期停止マウスを作成し、4群(1群:ENNG投与群、2群:ENNG+E2投与群、3群:ENNG+TM投与群、4群:ENNG+E2+TM投与群)に分けた。9週齢時よりコレステロール粉末に混ぜた0.5%E2及び5%TMペレットを背部皮下に埋植し、10週齢時に経膣的に片側子宮腔内にENNGを単回投与(12.5mg/kg)した後15週間観察し、生殖器を中心に病理学的検索を行った。
【結果及び考察】子宮腺癌の発生は、1〜4群でそれぞれ11、55、0及び10%であった。2群では子宮腺癌が高率に発生し、ENNGによる子宮癌発生に対するE2のプロモーション作用が示された。一方、2群にTMを加えた4群ではその発癌率は1群のレベルとなり、E2によるプロモーション効果がTM投与により阻害される結果が得られ、TMは子宮に対してエストロジェニックに作用するよりも、抗エストロジェニックに作用している事が示唆された。