ABSTRACT 825(P1-11)
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食道癌、胃癌におけるCOX-2の発現に関する検討:川部 篤、嶋田 裕、伊丹 淳、加賀之井純一、佐藤史顕、牧野智和、内田茂樹、前田賢人、加納正人、渡辺 剛、加藤雅之、今村正之(京都大学腫瘍外科)

Expression of Cyclooxygenase-2 in Esophageal and gastric cancer : Atsushi KAWABE, Yutaka SHIMADA, Atsushi ITAMI, Jyunnichi KAGANOI, Fumiaki SATO, Tomokazu Makino, Shigeki UCHIDA, Kento MAEDA, Masato KANO, Go WATANABE, Masayuki KATO, Masayuki IMAMURA (Dept. of Surgery and Surgical Basic Science, Kyoto University)

【目的】COX-2 (Cyclooxygenase-2)の発現が大腸、胃の発癌に関与しているとの報告がなされている。そこで我々は食道癌,胃癌におけるCOX-2の発現を検討した.【方法】食道癌組織158例、胃癌組織56例に対して抗COX-2抗体、による免疫組織染色を施行し腫瘍部染色率50%以上(陽性)、10〜50%(弱陽性)、10%以下(陰性)として判定した.【結果】食道癌でのCOX-2の陽性率は71.5%(113/158)と高率に発現を認めた。占居部位においては胸部中部食道79.1% (72/91)、胸部下部・腹部食道71.1%(27/38)と気管分岐部以下において優位に発現率が高かった。(p=0.028)  胃癌においても78.6%(44/56)と高発現していたが局在による差はなかった。また食道癌、胃癌ともに性、リンパ節転移、深達度、脈管内侵襲、TNMstage、とCOX-2の発現率には有意差を認めなかった。【結語】(1)食道癌、胃癌においてCOX-2は高発現していた。(2)胸部中部、下部、腹部食道においてCOX-2の発現率が高かったが胃内容の逆流とCOX-2の関係は明らかではなかった。(3)COX-2の発現と臨床病理学的因子との関連は認めなかった。