ABSTRACT 842(P2-1)
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胃癌組織より樹立されたEBV陽性細胞株:
田島マサ子1、高梨正勝2、宮澤幸久2、竹島寿男3、冲永功太31帝京大・医・中検、2同 臨床病理、3同 第二外科)

Establishment of Epstein-Barr Virus-positive Human Gastric Epithelial Cell Lines:Masako TAJIMA1, Masakatsu TAKANASHI2, Yukihisa MIYAZAWA2, Toshio TAKESHIMA3, Kota OKINAGA3 (1Depts. of Clinical Lab., 2Clinical pathol. and 3Surg., Teikyo Univ.Sch.of Med.)

【目的】近年胃癌組織からEBV遺伝子が検出され胃癌との関連性が注目を集めている.我々はEBVと胃癌の関係を解明するため、胃癌組織の培養を試みEBV陽性の細胞株(GTC-4)が樹立されたので報告をする.【材料と方法】低分化腺癌で癌組織中にEBV-LMPとEBV断片が認められ、EBV-VCA抗体価640倍を保有した70歳男性例の癌病巣摘出材料を用いた.組織培養は摘出材料を抗生物質で処理した後に、MEMと等量のKeratinocyte-SFM培養液にFCS10%加えたものを用いた.細胞株の特異性は免疫染色とwestern blotで検索した.【結果】抗cytokeratin、抗 EMA、抗CEAの抗血清に対し陽性所見を認めたが、T細胞、B細胞、マクロファージ抗体には陰性であった。EBV関連抗体では抗LMP1、抗EBNA1、抗EBNA2、抗VCA(18kD)に対し陽性所見を認め、TPA, n-butyrate処理によりそれらの蛋白増強が認められた.さらに電子顕微鏡でウイルス粒子を認めた.【まとめ】胃癌組織より増殖性の強いEBV感染細胞株が樹立され、さらに細胞にウイルス粒子の形成が認められた.