ABSTRACT 844(P2-1)
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細胞動態とMHC発現からみたEpstein-Barr virus(EBV)陽性胃癌の特性:森谷鈴子,九嶋亮治,杉原洋行,服部隆則(滋賀医大・第一病理)

Characteristics of Epstein-Barr virus (EBV)-positive gastric carcinomas. Expression of MHC and cytokinetics: Suzuko MORITANI, Ryoji KUSHIMA, Hiroyuki SUGIHARA, Takanori HATTORI (Dept. of Path., Shiga Univ. of Med. Sci.)

EBV陽性胃癌のDNA ploidy pattern と癌細胞のMHC発現を検討し、EBV陽性胃癌の増殖進展の特徴を調べた。(方法)EBV陽性胃癌のparaffin blockから細胞を単離、smear標本上でEBERに対するin situ hybridizationとDAPIの二重染色を行い、顕微蛍光測光法でEBV陽性胃癌細胞の DNA 量を定量、histogramを作製した。また Ki-67, p53の他 MHC class II のマーカーとしてHLA-DR の免疫染色を行った。さらに腫瘍間質に浸潤するリンパ球の細胞表面形質についても検討した。対照にはEBV陽性胃癌類似の組織像を示すEBV 陰性胃癌、通常の組織像を示すEBV陰性胃癌を用いた。(結果と考察)早期癌では、EBV陽性、陰性間で有意差は無かったが、進行癌ではaneuploid 出現率とp53蛋白過剰発現率がEBV陽性胃癌で有意に低く HLA-DR の発現は高かった。Ki-67 indexに有意差は無かった。EBV 陽性胃癌では aneuploid cell は、進展の過程で腫瘍免疫により排除されやすいと考えられた。