ABSTRACT 849(P2-1)
慢性活動性EBV感染症患者からのEBV陽性NK様細胞株の樹立:清水則夫1 黒岩保幸1, 山本興太郎1, 馬場憲三2, 関根暉彬2, 原暁3, 永田博史4(1東京医歯大・難治研, 2国立がんセ・研, 3千葉大・医・2内, 4千葉大・医・耳)
Establishmet of EBV positive NK-like cell line from CAEBV patient : 1Norio SHIMIZU, 1Yasuyuki KUROIWA, 1Kohtaro YAMAMOTO, 2Teruaki SEKINE, 2Kenzo BANBA, 3Satoru HARA, 4Hiroshi NAGATA (1 Med. Res. Inst. Tokyo Med. and Dent. Univ, 2Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 32nd. Dept. Int. Med. Chiba Univ., 4 Dept. of Otorhi. Med. Chiba Univ.)
【目的】慢性活動性EBV感染症患者の末梢血単核球から,EBV陽性細胞株を樹立することを目的とした.
【材料と方法】患者は26歳の女性。4年前より慢性活動性EBV感染症と診断されていた。患者の末梢血単核球を分離し,さらにCD4, CD8, CD56陽性細胞を磁気ビーズにより単離した。分離した細胞は,IL-2存在化で培養した.EBVの検索はPCR法でおこない,クロナリティーをTRをプローブとするサザン法で,EBVタンパク質の発現をイムノブロット法でそれぞれ解析した.
【結果および考察】CD56陽性細胞画分でのみ増殖が確認でき,増殖細胞はCD56陽性,CD3陰性のNK様細胞であった.約8か月間培養を継続しているが,増殖は良好である.この細胞株はモノクローナルなEBV陽性細胞で,EBNA1, LMP1陽性の2型のEBV潜伏感染細胞であった.今後この細胞株のNK活性を検討する予定である.EBV陽性NK細胞由来の細胞株を分離した報告は少なく,この細胞株がEBV陽性NKリンパ腫の成立過程の研究に貢献することが期待される.