ABSTRACT 851(P2-1)
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EBV複製装置を構成するBBLF4/BSLF1/BBLF2/3複合体の発現系の確立:横山直明, 藤田雅俊, 葛島清隆, 鶴見達也(愛知がんセ・ウイルス)

Expression of Epstein-Barr virus BBLF4/BSLF1/BBLF2/3 complex in insect cells : Naoaki YOKOYAMA, Masatoshi FUJITA, Kiyotaka KUZUSHIMA, Tatsuya TSURUMI (Lab. Viral Oncol., Aichi Cancer Center)

最近多くのヒトがんにEpstein-Barr virus(EBV)が関与することが明らかになってきており、ウイルス増殖の分子機構を解明することはEBV感染腫瘍細胞を制御し、その治療法を開発する上で重要な知見になると考えられる。ウイルス産生状態におけるEBVゲノム複製には、7種のウイルス複製蛋白質;BZLF1、BALF5、BMRF1、BBLF4、BSLF1、BBLF2/3及びBALF2蛋白質が必須である。これまでに我々はDNAポリメラーゼ複合体の各サブユニット(BALF5及びBMRF1)及び一本鎖DNA結合蛋白質(BALF2)の機能解析を行ってきた。今回はDNAヘリカーゼ及びDNAプライマーゼの活性に関与しているであろうBBLF4、BSLF1及びBBLF2/3蛋白質の組換えバキュロウイルスによる発現系を樹立した。各種組換えバキュロウイルス(AcBBLF4、AcBSLF1及びAcBBLF2/3)は感染昆虫細胞中にそれぞれ90、89及び76kDaの蛋白を発現し、それぞれのウサギ抗血清を用いたウェスタンブロットにてBBLF4、BSLF1及びBBLF2/3であることが確認された。3種の組換えバキュロウイルスを同時に昆虫細胞に感染させ、その抽出液に対して免疫沈降反応を行った結果、抗BSLF1ウサギ血清はBSLF1、BBLF4及びBBLF2/3すべての蛋白を沈降させた。従って、これらの蛋白は複合体を形成しているものと思われる。現在、この複合体の酵素活性について検討している。