ABSTRACT 855(P2-2)
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超高齢者、高齢者の重層扁平上皮HPV感染:泉山七生貴1,仲村賢一1,田久保海誉1,新井冨生2,江崎行芳21都老人研・臨床病理,2都老人医療セ・病理)

HPV infection of stratified squamous epithelium in aged and advanced aged:Naotaka IZUMIYAMA1,Kenichi NAKAMURA1,Kaiyo TAKUBO1,Tomio ARAI2,Yukiyoshi ESAKI2(1Dept.of Clinical Pathology,Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.,2Dept.of Pathology,Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital)

[目的]ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頚癌と密接な関係があることが報告されている。また子宮頚癌以外にも舌癌および皮膚癌等にHPVが関与している報告もある。そこで昨年から継続している超高齢者、高齢者の子宮頚部病変に加え、舌および皮膚のHPV感染を検討したので報告する。[対象と方法]連続剖検209例(年齢47〜104歳、平均81歳)を対象とした。剖検時に擦過により子宮頚部から細胞を採取し、DNA抽出、PCR法によりDNA検出、16型、18型の同定を行なった。また、子宮頚部は細胞診断による形態学的所見と比較検討した。[結果]細胞診でdysplasiaまたは、癌の存在しなかった正常例は184例であり、その全ての症例にHPV-DNAは検出されなかった。上皮内癌およびdysplasia例は18例(平均81歳)で、18例中HPV-DNAは8例、44%に検出され、そのうち悪性度の高いとされるhigh risk typeは6例、75%、low lisk typeは2例、25%に検出された。96歳のmild dysplasiaと細胞診診断された症例にHPV18型が検出された。途中から検索しはじめた舌、および皮膚のHPV-DNA検出結果は、女性11例、男性7例ともに検出されなかった。子宮頚部、舌および皮膚のHPV-DNAとの関連は、症例を集めながら現在検討中である。