ABSTRACT 862(P2-3)
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C型肝炎ウイルス関連肝細胞癌におけるB型肝炎ウイルスの関与:新谷良澄1,四柳宏1,3,森屋恭爾1,藤江肇1,堤 武也1,高山忠利2,幕内雅敏2,木村 哲1,小池和彦1(東大・医・一内1 ・二外2 聖マリ医大・内臨検3

Prevalence of Hepatitis B virus in HCV related hepatocellular carcinoma.:Yoshizumi SHINTANI1,Hiroshi YOTSUYANAGI1,3,Kyoji MORIYA1,Hajime FUJIE1,Takeya TSUTSUMI1,Tadatoshi TAKAYAMA2,Masatoshi MAKUUCHI2,Satoshi KIMURA1,Kazuhiko KOIKE1 (1st.Dept.of Intern.Med.1,2nd.Dept.of Surg.2,Univ.Tokyo,St.Marianna Univ.Sch.of Med.3)

[目的]HCV抗体陽性の肝細胞癌(HCC)患者では、HBs抗体、HBc抗体が、有意に高頻度であると報告されている。そこで、肝癌組織中のHBVを検出し、その意義を検討した。[方法と結果]対象は、第二世代HCV抗体陽性かつHBs抗原陰性の肝細胞癌症例24例 である。肝組織(腫瘍部、非腫瘍部)からDNAを抽出し、S領域、X領域、C領域にそれぞれプライマ−を設定し、PCRを行った。引き続きサザンハイブリダイゼ−ションを行い、HBV-DNAを検出した。54%の症例で、HBVゲノムが検出され、検出例についてはPCRによりタイトレーションを行った。多くの例でタイターは1細胞あたり1コピー以下と低かった。一部の例でGenomic DNAのサザン法で、HBV-DNAの存在が示された。またHBc抗体陰性例ではC領域の遺伝子の一部欠失が認められた。[結論]HCV抗体陽性のHCCには高頻度にHBV-DNAが検出される。一般に低コピーであり、既往の感染後の低レベルのHBVの増殖の結果である可能性がある。今後の検討が必要と思われる。