ABSTRACT 863(P2-3)
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HBs抗原・HCV抗体両者陰性肝細胞癌患者におけるHBVの関与:四柳宏1,2、森屋恭爾1、新谷良澄1、藤江肇1、堤武也1、北嘉昭3、針原康3、高山忠利3、幕内雅敏3、木村哲1、飯野四郎2、小池和彦1 (1東大・医・一内、2聖マリ医大・内科臨検、3東大・医・二外)

contribution of HBV in HBsAg-negative, HCVAb-negative hepatocellular carcinoma cases: Hiroshi YOTSUYANAGI1,2, Kyoji MORIYA1, Yoshizumi SHINTANI1, Hajime FUJIE1, Takeya TSUTSUMI1, Yoshiaki KITA3, Yasushi HARIHARA3, Tadatoshi TAKAYAMA3, Masatoshi MAKUUCHI3, Satoshi KIMURA1, Shiro IINO2, Kazuhiko KOIKE1 (1 1st Dept. of Intern Med., Tokyo Univ. 2 Dept. of Labo. Med., St. Marianna Univ., 3 2nd Dept.of Surg., Tokyo Univ.)

[目的]HBs抗原・HCV抗体両者陰性(NBNC)肝細胞癌症例における肝炎ウイルスの関与については定説がない。我々は昨年の本学会で、こうした症例の一部でHBVの関与する可能性を示したが、今回はHBVの存在様式について検討した。
[方法]NBNC肝細胞癌12症例の肝組織から核酸を抽出し、PCR-サザン法によりHBV-DNAを検出した。一部の症例ではHBV-RNAの検出、さらにはダイレクトシークエンス法によるPCR産物の塩基配列決定を行った。
[結果]12例中8例でHBV-DNAが検出された。うち5例はHBVマーカーがすべて陰性であった。HBV-RNAは、検出を行った全症例で陽性であった。PCR産物のシークエンスではcore領域にdeletionのある症例が見られた。
[結論]NBNC肝細胞癌症例の一部では肝内でHBVの転写が行われており、HBVの関与が疑われる。HBVマーカーがすべて陰性の場合でもHBVの関与する可能性がある。