ABSTRACT 864(P2-3)
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HBV X遺伝子発現による細胞死の誘導:白形由美子, 金庭徳子, 菊地由佳, 小池克郎(癌研●遺伝子)

Expression of HBV X gene induces cell death in hepaoma cell line: Yumiko SHIRAKATA, Noriko KANENIWA, Yuka KIKUCHI, Katsuro KOIKE (Dept. of Gene Res. The Cancer Inst., JFCR)

B型肝炎ウイルス(HBV)のX遺伝子の機能及び癌化誘導のメカニズムについては、様々な可能性が示唆されてきている。最近いくつかのグループによってXの過剰発現による細胞死の誘導、細胞死に対する感受性の増加が報告されている。我々も、X遺伝子を培養肝癌細胞で高発現させるとアポトーシスによる細胞死が生じることを観察した。また、X遺伝子を発現させ、X蛋白質の局在を免疫蛍光染色法により観察し、ミトコンドリアに存在することを明らかにした。近年細胞死のメカニズムに、ミトコンドリアが介在していることが明らかになってきているが、X蛋白質のミトコンドリアへの局在と細胞死との関連、また、ミトコンドリアに存在し、細胞死の阻害及び誘導に関与することが知られているBcl family蛋白質とX蛋白質との相互作用についても検討中である。