ABSTRACT 868(P2-4)
HCVコア蛋白によるMAPK活性化の検討 : 林 順平1)2)、青木 宏1)2)、森山 光彦2)、荒川 泰行2)、樋野 興夫1) (1)癌研・研・実験病理、2)日本大学第3内科)
Modulation of MAP kinase signaling pathway activated by hepatitis C virus core protein:Junpei HAYASHI, Hiroshi AOKI,Mitsuhiko MORIYAMA,Yasuyuki ARAKAWA, Okio HINO (1Dept .of Experimental Pathology, Cancer Inst. 2 Third Dept.of Internal Medicine, Nihon Univ. School of Medicine.)
肝細胞癌の発生にはC 型肝炎ウイルス(HCV)感染が深く関与しているが、依然その関係には不明な点も多い。その中で、HCVコア蛋白が感染細胞内で種々のプロモーター活性に影響を与えること、 Fasを介したアポトーシスに対する感受性を亢進させること等が報告され、HCVコア蛋白を介した細胞増殖の調節機構の存在が推測される。最近、我々は yeast two-hybrid screening により14-3-3蛋白がHCVコア蛋白の標的分子となりうることを同定し、さらに、HCVコア蛋白が c-Raf-1 (以下Raf) のキナーゼ活性に影響を与える可能性を見い出した。今回我々はMAP kinase(MAPK)カスケードの活性化に注目し、一過性及び構成的なHCVコア蛋白発現がMAPKに与える影響について、in vitro kinase assay 及び in vivo MAPK pathway reporting system 等を用いてMAPKの活性化を検討し、またアポトーシスに関連する細胞内のシグナル伝達経路に与える影響についても解析を進めている。