ABSTRACT 869(P2-4)
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HCV NS5Bの細胞内局在;アンカー領域の同定について:山下竜也1, 2、代田幸博1, 2、Qin Weiping1、金子周一2、小林健一2,村上清史11金沢大・がん研・腫瘍分子,2金沢大・第1内科)

Subcellular localization of HCV NS5B; Identification of the anchoring domain: Tatsuya YAMASHITA1, 2,Yukihiro SHIROTA1, 2,Qin WEIPING1, Shuichi KANEKO2, Kenichi KOBAYASHI2 and Seishi MURAKAMI1, (1 Dept. of Molecular oncology, Inst.Cancer Res.,Univ.Kanazawa,2 Dept. of 1st. Int. Med.,Univ.Kanazawa)  

【目的】HCVの持続感染は慢性肝炎、肝硬変を引き起こし、効率に肝癌を発生する.その持続感染の遮断は肝発癌の予防につながると考えられる.その感染遮断の標的としてウイルスの複製が挙げられるが、そのメカニズムは未だ解明されていない.我々はウイルス複製酵素であるNS5Bの細胞内局在に影響する領域について検討した.【対象と方法】緑色蛍光蛋白(GFP)融合蛋白発現ベクター、pGFP及びFLAG標識蛋白発現ベクター、pNKFLAGを用い肝癌由来培養細胞HLE細胞に一過性発現し細胞内局在について検討し、種々の欠損変異、置換変異も用いて検討した.
【成績】NS5B全長は細胞質内核膜周囲にみられ、そのC末端の21アミノ酸を欠損したNS5Btは核内に塊状のパターンを形成した.その21アミノ酸の変異NS5B-m4, 5も同様の核内移行を認めた。欠損変異を用いて塊状の核内移行に影響する領域を限定した.
【結語】HCV NS5B領域のC末端にアンカー領域を発見した.核内の因子と結合する事が予想される新たな領域を限定した.これらの事実はHCVの複製メカニズムを解明し抗ウイルス薬の開発につながるものと考えられる.