ABSTRACT 877(P2-5)
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HTLV-1母児感染例におけるプロウイルス一次構造多様性の検討:岡崎覚1, 潮下敬1, 夫津木いづみ1, 溝上明成1, 山下恭1, 日野茂男2, 森内良三1, 片峰茂11長崎大・医・細菌, 2鳥取大・医・ウイルス)

Qusasispecies of HTLV-1 proviruses in maternal transmission : Satoru OKAZAKI1, Kei SHIOSHITA1, Idumi FUTUKI1, Akinari MIZOKAMI1, Kyo YAMASHITA1, Shigeo HINO2, Ryozo MORIUCHI1, Shigeru KATAMINE1 (1Dept. of Bacteriol., Nagasaki Univ.Sch. Med., 2Dept. of Virol., Tottori Univ. Sch. Med.)

<目的> HTLV-1感染個体内のプロウイルスの一次構造多様性の形成機序を明らかにするため、母児感染例における一次構造変化と対応する変異蛋白の機能を比較検討した。
<方法> 母乳、非母乳感染によるキャリア母児それぞれ2対ずつの末梢血単核球よりDNAを抽出し、p40tax ORF全領域のPCR産物を発現ベクターに組み込み、各々20個以上の塩基配列を決定し、βgal assayにてトランス活性化能の有無を調べた。
<結果> 1) 母乳感染児のviral loadは母親に比べ高値だが、非母乳感染児では母親よりはるかに低値であった。2) 母乳、非母乳感染例ともに児の塩基変異率、アミノ酸置換率は母と同等であった。3) トランス活性化能の欠如は母乳感染の母児由来では79クローン中6クローン(7.6%) に対し非母乳感染例では80クローン中22クローン(27.5%) と高値を示した。
<考察> HTLV-1プロウイルス一次構造多様性は母児における差異はなく、感染後きわめて早期に形成されること、母乳.非母乳感染児間で個体内ウイルス複製の様式に違いがある可能性が示唆された。(共同研究者:国立遺伝研・五條堀孝、鈴木善幸博士)