ABSTRACT 885(P2-6)
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Pre-B リンパ腫好発系SL/Khマウスのマウス白血病ウイルスゲノム:リンパ腫DNAへの挿入: 鶴山竜昭1、阿不江パタール1、中村卓郎2、日合 弘1(1京大・院・医・病態生物医学、癌研・研)

Murine leukemia virus proviral genomes in normal and lymphoma DNA of pre-B lymphoma-prone SL/Kh mice:Tatsuaki TSURUYAMA1,PATAER Abujiang1,Takuro NAKAMURA,Hiroshi HIAI1 (1 Dept. Pathol. & Biol. Dis., Kyoto Univ. Grad. Sch. Med.,Cancer Institute, PRESTO, JST)

われわれが開発したSL/Khマウスは6ケ月齢までにほぼ100%にPre-B lymphoma (B220+, BP-1+, sIg-, Thy-)を発症する近交系マウスである。リンパ腫の発生には内在性マウス白血病ウイルスのうちEcotropic virus (Emv) の発現、標的細胞DNAへの挿入が関わっている。今回われわれは代表的なEmv であるAkvのenv probeを用いてSouthern hybridizationによる解析を行い,SL/Khマウスは遺伝的に獲得されたAkv類似のEmv provirusを7copiesもつこと,リンパ腫発症時にはこれに加え新たに少なくとも1個以上のあらたなEmv genomeの挿入が生じることを確認した。さらに,内在性EmvをもたないNFSマウスとの間に戻し交配系(SL/Kh x NFS) x NFSを作成し、genome wide scanと Southern hybridization を組み合わせた解析を行い、SL/Khマウスの内在性provirus genomeの染色体位置を決定した。リンパ腫DNAについて、Inverse PCR法を用い新たに獲得されたprovirus genomeの挿入部位のcloningを試みている。