ABSTRACT 887(P2-6)
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レトロウイルス誘発性疾患に対する遺伝子治療モデルの開発: 発現効率の良い遺伝子導入系におけるウイルス感染抑制効果の解析:北川昌伸1,2、相沢志郎2、池田英利3、佐渡敏彦2、神作仁子2、広川勝いく11東京医歯大・医・感染免疫病理、2放医研・生物影響、3家衛試・生体防御・免疫遺伝)

Gene therapy model of mouse retrovirus-induced disease using Fv-4 resistance gene: gene transduction system with strong expression and analysis of mechanism for resistance: Masanobu KITAGAWA1,2, Shiro AIZAWA2, Hidetoshi IKEDA3, Toshihiko SADO2, Hitoko KAMISAKU2 and Katsuiku HIROKAWA1 (1Dept. Pathol. Immunol., Fac. Med., Tokyo Med. Dent. Univ., 2Div., Biol., Oncol., Natl. Inst., Radiol., Sci., 3Div. Biodef. Res., Natl., Inst., Animal Health)

【目的】Fv-4抵抗性遺伝子(Fv-4r)はマウス白血病ウイルスに極めて強い抵抗性を示す宿主遺伝子である。我々はフレンド白血病ウイルス(FLV)感受性マウスの骨髄細胞にFv-4r遺伝子を導入した後、同系マウスに移植して、ウイルス抵抗性を獲得できるかどうか解析を行った。【結果・結論】1. SFFV由来のウイルスベクターを用いて、遺伝子導入のための培養条件を至適化することにより、骨髄移植後の造血細胞において本来Fv-4r遺伝子を持つC4Wマウス由来の細胞と同等の遺伝子発現をさせることが可能であり、ウイルス抵抗性獲得に必要と考えられる発現量を示す個体が9割以上からなる実験群を作成することができた。 2. Fv-4r遺伝子高発現マウスではこれまで観察されなかった胸腺でも発現が認められた。3. M-MuLV由来のレトロウイルスベクターを使用して、同様のFv-4r遺伝子導入実験を行ったが現在のところ生体内における発現効率は低い。