ABSTRACT 891(P2-6)
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Toroidal-coil countercurrent chromatography を用いた M. fermentans 由来コリン含有グリセロ糖脂質の分離 : 松田和洋1、松田幸枝2、齋藤政樹1、伊東洋一郎31国立がんセ・研・ウイルス、2立正佼成会病・皮、3NIH・ NHLBI・Dept. Biophys. Chem.)

Separation of phosphocholine-containing glycoglycerolipids from M. fermentans by toroidal-coil countercurrent chromatography : Kazuhiro MATSUDA1、Sachie MATSUDA2、Masaki SAITO1、Yoichiro ITO3 (1Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.、2Kosei General Hosp.・Dermatology、3NIH・ NHLBI・Dept. Biophys. Chem.)

[緒言] M. fermentans は、リウマチ、AIDS の増悪因子あるいは発がんなどとの因果関係が疑われている原核微生物の一つである。最近、Helicobacter pilori のように以前では検出の難しかった原核微生物が、胃潰瘍や胃がんの原因となりうると考えられ始めており、M. fermentans が人の病気の原因となりうる可能性は否定できない。
[方法]  M. fermentans の主要複合脂質は、GGPL-I あるいは GGPL-III (GGPLs) という phosphocholine 基をもつ糖リン脂質である。Toroidal-coil countercurrent chromatography (TC-CCC) を用いて M. fermentans からこれらを精製し検出した。
[結果] GGPLs は、構造類似性をもつ sphingomyelin や phosphorylcholine とよく似た疎水性を二層溶媒系で示した。TC-CCC をもちいてこれらの良好な分離が得られた。さらにこの方法により pH によるリン脂質の疎水性の変化が観察された。
[考察] Toroidal-coil countercurrent chromatography による精製と GGPL-III に対するモノクローナル抗体と組み合わせることにより組織標本などでの高感度特異的な検出が可能である。この GGPLs は mRNA、DNA や蛋白抗原に比べ安定であり腫瘍や自己免疫疾患との因果関係を解析していくための特異的なマーカーになりうる