ABSTRACT 892(P3-1)
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抗アンドロゲン剤CasodexのAMN(N-Amyl-N-methylnitrosamine)ラット食道実験発癌における発癌抑制: 近藤泰理,上條あけみ,生越喬二,田島知郎,幕内博康,渋谷 誠東海大・医・外,東海大・医・病)

Inhibitory effects of Casodex, an antiandrogen agent, on experimental  esophageal cancer induced by AMN (N-Amyl-N-methylnitrosamine) in rats: Yasumasa KONDOH, Akemi KAMIJOU, Kyoji OGOSHI, Tomoo TAJIMA, Hiroyasu  MAKUUCHI, Makoto SHIBUYA(Dept.of Surg., Sch.of Med., Tokai Univ., Dept. of Pathol., Sch.of Med., Tokai Univ.)

[目的]食道癌の発生頻度が男性に高く,切除後の予後が男性において不良であるという性差の要因の一つとして,扁平上皮のアンドロゲン受容体に着目し,非ステロイド性抗アンドロゲン剤の発癌抑制効果についてラット発癌実験系を用いて報告してきた.今回はCasodex投与量の実験発癌におよぼす効果について検討を行った. [方法]実験動物はSD系雄ラット 7週齢を,去勢ラットは実験開始1週間前に作成し,発癌物質のAMN(N-Amyl-N-methylnitrosamine)を0.003%の飲料水として10週間連日投与したのち,抗アンドロゲン剤のCasodex(ICI 176334ZENECA Pharmaceuticals)を 5mgまたは25mg/kg/day飼料に混じて10週間連日投与し,食道組織標本を作成した.
[結果]発癌率をみると,非去勢ラットでCasodex 5mg,25mg投与群がそれぞれ75%(n=4),71%(n=7)と差がなかったが,去勢ラットではCasodex 5mg投与群の80%(n=5)に比べ25mg投与群が25%(n=8)と低下傾向がみられた.
[結語]AMNラット実験食道発癌系において非ステロイド性抗アンドロゲン剤Casodexの発癌抑制効果が5mg/kg/day投与群にみられず,25mg/kg/day投与群の去勢ラットに認められた.