ABSTRACT 894(P3-1)
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COX-2選択的阻害剤NS-398におけるAOM誘発ラット大腸発癌抑制効果の検討 : 清水雅仁1,2,吉見直己 1,山田泰広1,松永研吾1,酒々井夏子1,原明1,森脇久隆2,森秀樹1(1岐阜大・医・1病,2岐阜大・医・1内,)

Inhibitory Effect of NS-398, a Selective Cyclooxygenase-2 Inhibitor, on AOM-induced Colon Carcinogenesis of Rats : Masahito SHIMIZU1,2, Naoki YOSHIMI1, Yasuhiro YAMADA1, Kengo MATSUNAGA1. Natsuko SUZUI1, Akira HARA1, Hisataka MORIWAKI2, Hideki MORI1 (1Dept. Pathol. ,Gifu Univ. Sch. Med.1, 2Dept. of Int. Med., GIfu Univ. Sch. Med.,)

【目的】Cyclooxygenase-2(COX-2)はヒトやラットの大腸癌組織での発現上昇が報告されており、COX-2発現を抑制することは癌予防に絡む可能性が考えられる。今回我々は、COX-2の選択的阻害剤であるNS-398を用いて全消化管に対する腫瘍形成抑制効果 について検討した。【方法】6週齡F344雄ラット73匹を4群に分け、第1群(26匹)、2群(27匹)に大腸発癌物質azoxymethane(AOM)を週1回ずつ3週に渡り皮下注射し、第1、4群(10匹)は基礎食のみ、第2、3群(10匹)には10mg/kgのNS-398を胃管にてAOM最終処置後1週後から37週間隔日投与し、AOM投与後40週時に消化管(大腸、小腸)を観察した。【結果】第1群(AOM alone)の消化管腫瘍発生率は84.6%であり、第2群(AOM+NS-398)は55.6%と統計的有意差を認めた。腫瘍多発性でも第1群は1.35±1.09であり、第2群で0.70±0.78と統計的有意差を認めた。【考察】COX-2選択的阻害剤NS-398において消化管(大腸、小腸)腫瘍形成は抑制効果を受けることが示唆された。