ABSTRACT 896(P3-1)
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ラット肝中期発癌性試験法を用いたTroglitazoneのMeIQx誘発肝発癌に対する抑制効果:小木曽 正1, 広瀬雅雄1,2, 木本直哉1, 加藤俊男1,3, 萩原昭裕1,4, 白井智之1 (1名市大・医・1病理, 2国立医衛研・病理, 3大雄会病・病理, 4大雄会医科研)
 
Chemoprevention of MeIQx-induced rat hepatocarcinogenesis by Troglitazone in a rat medium-term liver bioassay system : Tadashi OGISO1, Masao HIROSE1,2, Naoya KIMOTO1, Toshio KATO1,3, Akihiro HAGIWARA1,4, Tomoyuki SHIRAI1 (11st. Dept. Pathol., Nagoya City Univ. Med. Sch., 2Div. Pathol., National Inst. Health Sci., 3Dept. Pathol., Daiyu-kai Hosp., 4 Daiyu-kai Inst. Med. Sci.)

【目的】経口糖尿病剤のTroglitazone (TG)は, 化学予防作用を持つ1-O-hexyl-2,3,5-trimethylhydroquinone (HTHQ)に化学構造的に類似している。今回, TGのMeIQx 肝発癌に対する抑制作用をラット肝中期発癌試験法を用いて検討した。【方法】6週齢の雄性F344ラットに200mg/kgのDENを単回腹腔内投与し, その2週後より1, 2 群は0.03% MeIQxと0.5あるいは0.1%TGとの複合混餌投与。3群はMeIQx単独混餌投与。4, 5 群はTGの0.5あるいは0.1%単独混餌投与。6群は非投与群とした。いずれの群も実験開始3週経過後に2/3部分肝切除を行い全経過8週にて屠殺した。アセトン固定した 肝は組織標本を作製し, GST-P陽性細胞巣の1cm2あたりの個数および面積を測定し, 対照群と比較した。【結果】3群のMeIQx単独投与群のGST-P陽性細胞巣の1cm2あたりの個数および面積は, 49.1個, 5.2mm2であったのに対し, 1群のMeIQxと0.5%TGとの複合混餌投与群は36.8個, 3.8mm2, 2群の0.1%TGとの複合混餌投与群は, 35.9個, 3.6mm2と低値であった。4, 5群では, 個数・面積とも, 6群の値と差はなかった。【結論】TGは, MeIQx誘発肝発癌 に対して, HTHQと同様に抑制作用を示したが, TG単独での肝発癌抑制作用は認められなかった。