ABSTRACT 949(P3-4)
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気管支扁平上皮化生に対する喫煙と葉酸およびビタミンB12血中濃度の影響:斎藤 誠、土田敬明、平野 隆、中村治彦、河手典彦、小中千守、加藤治文(東京医科大学外科)

Effects of smoking and plasma level of folate and vitamin B12 on bronchial squamous metaplasia: Makoto SAITO, Takaaki TSUCHIDA,Takashi HIRANO,Haruhiko NAKAMURA, Norihiko KAWATE, Chimori KONAKA and Harubumi KATO (Dept. Surg., Tokyo Medical College)

【目的】異型気管支扁平上皮化生に及ぼす喫煙および葉酸およびビタミンB12血中濃度の影響を検討した。
【対象】気管支鏡(BF)的に部位の特定した126例154病巣で、投与群61例、対照群65例で、投与群には葉酸10mgとビタミンB12 750μgを平均9.2カ月間連日経口投与した。追跡調査は平均10カ月で経気管支鏡的生検にて行なった。組織学的異型度の判定には0-3のスコアを用いた。
【結果】初回診断時の両群間に喫煙指数、喫煙状態、ビタミン血中濃度等の差はなかった。投与群ではスコアは初回診断時の1.7から最終診断時の0.4と有意に低下したのに対し(p<0.05)、対照群は1.4から1.2と軽度低下に留まった。重回帰分析では、初回および最終診断時のスコアと喫煙指数、禁煙状態、ビタミン血中濃度等の相関は得られなかった。しかし、喫煙者を除くとスコアの低下はビタミン血中濃度の上昇と関連し(p<0.05)、喫煙状態とは独立した因子であった。
【結語】化学予防は禁煙を第1とし、ビタミン投与はexosmokerのみを対照とすべきである。