ABSTRACT 950(P3-4)
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重喫煙者に見出だされる突然変異促進あるいは抑制の血清因子:鈴木信夫1,高窪義昭2,平野純子3,山森秀夫3,田代亜彦3,中島伸之3(千葉大,1二生化,3一外科,2国立東静,脳外)

Serum factors from heavy smokers, which enhance or suppress mutability of human cells :Nobuo SUZUKI1,Yosiaki TAKAKUBO2,Junko HIRANO3,Hideo YAMAMORI1,Tsuguhiko TASHIRO1,Nobuyuki NAKAJIMA1.(12nd Dept. of Biochemistry,31st Dept.of Surg.,Chiba Univ.,2National Tosei ,Brain Surg.)

 ヒト細胞における突然変異の変異原因子による 発生誘導を促進あるいは抑制する因子が膵癌などの癌患者血清あるいは既知サイトカインに存在することを報告してきた。今回は,そのような因子と喫煙との関連を調査した。まず、重喫煙歴(1日シガレット20本以上)健康者の血液を色素樹脂カラムクロマトグラフィ−により分離分画した。次に,その画分液の中からリンパ球系細胞におけるプロテア−ゼ誘発活性を促進するものを選択した。引き続き、高頻度の突然変異の誘導が可能なヒト細胞株RSを用い,紫外線照射後のウアバイン耐性化変異頻度を測定した.さらに,その形質変異の誘導を促進あるいは抑制する画分について PCRと dot-blot hybridization法を用いてK-ras codon 12変異の誘導も調節することを検証した。また、検証した変異が塩基置換変異であることをDirect sequencing法でも確認した。
 以上の結果から、重喫煙者の血液中には、プロテアーゼの活性誘発と突然変異誘導の両者を連動して促進あるいは抑制する因子のあることが示唆された。