ABSTRACT 951(P3-4)
がん病院初診患者の2カ月後の喫煙状況:浜島信之1、田島和雄1、中村正和2、富永祐民3(1愛知がんセ・研・疫学、2大阪がん予防検診セ、3愛知がんセ・研)
Smoking habit of patients two month after first-visit to a cancer hospital: Nobuyuki HAMAJIMA1, Kazuo TAJIMA1, Masakazu NAKAMURA2, Suketami TOMINAGA3 (1Div. of Epidemiol., Aichi Cancer Ctr. Res.Inst., 2Osaka Cancer Prev. and Detect. Ctr., 3Aichi Cancer Ctr. Res. Inst.)
病院受診を契機にどれだけの喫煙者が禁煙するかを調べるため、初診患者を対象に2カ月後と1年後の喫煙状況についての追跡調査を1997年9月に開始した。
1998年3月末日の時点で、716人の喫煙者が把握され、このうち85%にあたる606人(男402人、女204人)が参加申込書に署名し調査に参加した。3月26日までに2カ月後の喫煙状況調査用紙を466人に郵送し、239人分(51%)について調査用紙を回収することができた。がんと診断されたと回答した88人中、喫煙を継続していると答えた者は24人(27%)で、やめたと答えた者は62人(70%)であった。喫煙をやめたと回答した者は「がん以外の病気」と診断された者37人中6人(16%)、「病気はなかった」者80人中6人(8%)、「まだ検査中」の者26人中6人(23%)であった。がんと診断されなかった者の総数は151人で、このうちやめたと回答した者は19人(13%)であった。性別で見ると、男では97人中14人(14%)、女では54人中5人(9%)であった。「やめた」と回答した者を除いた158人では135人(85%)が禁煙に関心があると答えた。
本追跡調査での回収率は約50%であり、がんと診断されなかった初診患者全体での禁煙実施率はここで得られた値より低いものであると考えられるが、それでもある程度の受診者が禁煙に入り、また関心も高いことが示された。