ABSTRACT 974(P4-1)
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Nevoid basal cell carcinoma syndromeにおける遺伝子解析および細胞生物学的検討:藤井克則1,2、宮下俊之、高梨潤一2、杉田克生2、安元慎一郎、永江祥之介、山田正夫小児医療セ・先天異常、千葉大医・小児、九大医・皮)

Genetic and biological analysis of nevoid basal cell carcinoma syndrome : Katsunori FUJII, Toshiyuki MIYASHITA, Jun-ichi TAKANASHI, Katsuo SUGITA, Shin-ichiro YASUMOTO, Shounosuke NAGAE, Masao YAMADA (Dept. of Genetic, Natl. Children's Medical Res. Ctr., 2Dept. of Pediatr., Chiba Univ., 3Dept. of Dermatol., Kyushu Univ.)

【目的】Nevoid basal cell carcinoma syndrome (NBCCS) は基底細胞母斑、顎骨内嚢胞、椎骨肋骨異常、皮膚小陥凹を呈する神経皮膚症候群で、皮膚癌を好発することが知られている。本症候群ではショウジョウバエのセグメントポラリティ遺伝子であるptc遺伝子と相同なPTCH遺伝子の異常が原因とされているが詳細は不明である。今回我々はNBCCS患者由来細胞を用いて遺伝子解析ならびに放射線照射後の細胞特性の検討を試みた。【方法】NBCCS2家系3患者のゲノムDNAを用いてPCR-SSCP法により遺伝子解析を行った。またEBV-transformed lymphoblastoid cellを用いて放射線照射後のチミジン取り込みの測定、フローサイトメトリーによる細胞周期およびアポトーシスの解析、 p53, p21のwestern blottingを行った。【結果と考察】1家系2患者で906delCの異常を認め、premature PTCH proteinを形成することが判明した。X線照射後のチミジン取り込みは正常だったが、放射線照射後G2/M期の細胞比率の上昇とG0/G1, S期の比率の低下を認め、細胞周期調節因子の異常が示唆された。また患者細胞でアポトーシスの比率低下を認めた。p53およびp21の発現は異常を認めなかった。