ABSTRACT 977(P4-1)
本邦VHL患者におけるVHL遺伝子変異解析:
矢尾正祐1,吉田 実1,近藤慶一1,岸田 健1,穂坂正彦1,執印太郎2 (1 横浜市大・医・泌,2 高知医大・泌)
Mutational analysis of the von Hippel-Lindau disease (VHL) gene in Japanese VHL: Masahiro YAO 1, Minoru YOSHIDA 1, Keiichi KONDO 1, Takeshi KISHIDA 1, Masahiko HOSAKA 1, Taro SHUIN 2 (1 Dep. of Urol., Yokohama City Univ., 2 Dep. of Urol, Kochi Med. Col.)
我々は前回VHL遺伝子の遺伝的変異を本邦VHL患者について調べ、26家系に変異を見いだした(Hum Mol Genet,4, 2233,1995)。今回さらに28家系を追加し変異解析を行ったので、その結果を前回の症例と合わせ報告する。遺伝子の変異解析法は前回の方法に準じ、末梢血白血球DNAについて1) DNA-SSCP + シークエンス法, 2) サザン法により調べたが、SSCPの primer は一部改良を試みた。また一部の症例には直接シークエンス法を行った。その結果今回新たに20家系の患者に変異が見つかった。また前回変異が不明であった2家系で今回直接シークエンス法にて変異を見いだしたので、全体では48家系(74%)に遺伝的変異が見つかった。変異の内訳はミスセンス変異が28家系と過半数を占め、他にナンセンス1、欠失9、挿入3、スプライス変異3、サザン法4であった。この内の遺伝子内の17の変異は欧米で報告がないものであった。また褐色細胞腫を持つtype2型は10家系あったが全てに変異が見つかり、その内訳はミスセンスが8、ナンセンス、挿入が各1家系であった。