ポスターセッション

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遺伝性非ポリポージス大腸癌患者に合併した胃癌の臨床病理学的検討：新井正美¹、上野雅資^１、石原省¹、太田恵一郎¹、大山繁和¹、畔倉薫^１、関誠^１、太田博俊^１、高橋孝^１、柳沢昭夫^２、加藤洋^２、松尾成久^３（^１癌研 ・外、^２癌研・病理、^３川崎胃腸病院）

Clinico-pathological analysis of gastric cancers with HNPCC patients: Masami ARAI¹, Masashi UENO¹, Sho ISHIHARA¹, Keiichirou OOTA¹, Shigekazu OOYAMA¹, Kaoru AZEKURA¹,Makoto SEKI¹, Hirotoshi OOTA¹, Takashi TAKAHASHI¹, Akio YANAGISAWA², You KATO², Narihisa MATSUO³ (¹Depart. of Surg. and ²Depart. of Pathol., Cancer Inst. Hosp., ³Kawasaki GI Hosp. )

［目的］遺伝性非ポリポージス大腸癌（以下HNPCC）は、大腸以外にも悪性腫瘍を併発することが知られており、我が国においては、胃癌や子宮体癌の合併頻度が高い。今回、我々は、HNPCC患者に合併した胃癌の臨床病理学的事項につき検討した。［対象］1975年から1992年までの18年間の当外科における大腸癌手術症例のうち、Japanese Clinical Cliteria を満たす症例は68例あり、このうち経過中に胃癌を合併した症例は9例あった。このうち手術標本を検索し得た8例につき、病理組織学的事項を再検討した。［結果］9例の平均胃癌罹患年齢は47.9歳であり、一方これらの初回大腸癌手術年齢は45.8歳であった。3例は胃内多発癌で、うち２例は残胃摘を施行した。予後については、大腸癌肝転移により胃癌手術後2年で死亡した１例以外は、全て5年以上の生存を得た。癌の占拠部位は、A領域4例,M領域1例,C領域3例であり、肉眼型はA領域4例は全てIIaないしIIa+IIc、M・C領域の４例は、IIcあるいは2型であった。組織型は、A領域4例は、全て分化型、M・C領域の４例では、分化型と未分化型が認められた。分化型の背景粘膜は、腸上皮化生が目立ち、年齢の割には萎縮性変化の進んだ慢性胃炎の所見を認めた。［結語］HNPCC合併胃癌は、通常の胃癌症例と比べ、その臨床病理学的所見は大差ないが、平均罹患年齢はやや低く、多発の傾向が認められた。