ABSTRACT 991(P4-1)
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散発性大腸癌におけるhMLH1遺伝子非発現機構の解析:有田通恒1, 鐘暁玲1, 金澤真作1,2, 小池淳一1,2, 加藤雅利1, 辻田和紀2, 高野昇一3, 逸見仁道1, 吉雄敏文2, 嶋武博之1(東邦大・医・1分子生物, 21外, 3BML・研究開発)

Mechanism of unexpression of the hMLH1 gene in sporadic colorectal cancers: Michitsune ARITA1, Xiao Ling ZHONG1, Shinsaku KANAZAWA1,2, Junichi KOIKE1,2, Masatoshi KATO1, Kazunori TSUJITA2, Shoichi TAKANO3, Hiromichi HEMMI1, Toshifumi YOSHIO1,2, Hiroyuki SHIMATAKE1 (1Dept. Mol. Biol., 21st Dept. Surg., Toho Univ. Sch Med., 3BML, R&D Center)

【目的】遺伝性非腺腫症性大腸癌 (HNPCC)や一部の散発性大腸癌の発生や進展にミスマッチ修復遺伝子の異常が関与していることが知られている。これまでに散発性大腸癌99例についてhMSH2およびhMLH1タンパクの発現を調べ、6例でhMLH1タンパクが認められないことならびに6例中4例でhMLH1 mRNAが発現していないことを確認した。今回、これら非発現例6例を中心にhMLH1非発現機構について検討した。【方法】hMLH1遺伝子の5'-flanking領域について、ABI 373Sを用いて塩基配列を調べ、また、HpaII-PCR法およびbisulfite法を用いてmethyl-ationの有無を検討した。【結果】RER陽性検体のhMLH1 5'-flanking領域にmutationは検出されなかった。HpaII-PCR法による検討ではmethylationと非発現との間に相関関係は見いだされていない。また、-238から-3の領域中のCpG islandに着目してbisulfite法によりmethylationの有無を検討したが、発現例と非発現例で差は認められていない。【考察】hMLH1 promoter領域のhypermethylationが非発現に関与していることが報告されているが、我々の検討した検体ではこれまでのところ明らかな相関は認められていない。今後、methylationの部位および程度についてさらに詳細な検討を行う予定である。