ポスターセッション

一覧　トップ

大腸多発癌におけるchromosomal instability：澤井照光, 辻　孝, 日高重和, 近藤正道, 中村司朗, 久松　貴, 七島篤志, 地引政晃, 森永真史, 安武　亨, 中越　享, 綾部公懿, 田川　泰（長崎大・医・一外）

Chromosomal instability in multiple colorectal cancer: Terumitsu SAWAI, Takashi Tsuji, Shigekazu HIDAKA, Masamichi KONDO, Shiro NAKAMURA, Takashi HISAMASTSU, Atsushi NANASHIMA, Masaaki JIBIKI, Masafumi MORINAGA, Toru YASUTAKE, Tohru NAKAGOE, Hiroyoshi AYABE, and Yutaka TAGAWA (1st Dept. of Surg., Nagasaki Univ. Sch. of Med.)

［目的］大腸多発癌におけるchromosomal instabilityについて、核DNA量と第17番染色体数的異常の2点から検討した。
［対象と方法］過去8年間に外科的切除がなされた大腸癌560例のうち家族性ポリポーシスを除く大腸多発癌60例、計143病変を対象とした。核DNA量はflow cytometry、17番染色体数はfluorescence in situ hybridizationによって評価した。
［結果］核DNA量については、多発癌69病変中42例（61％）がDNA diploidyを示しており、一般大腸癌の248例中79例（32％）と比較して高頻度であった（p＜0.0001）。17番染色体数的異常は、多発癌12例中6例（50％）、一般大腸癌125例中88例（70％）に認められたが有意差はなかった（p＝0.14）。
［結語］大腸多発癌におけるchromosomal instabilityの関与は少ないものと考えられた。