ABSTRACT 1001(P4-1)
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胃・大腸重複癌に関する遺伝子不安定性についての検討:大谷博1,小野田尚佳2, 八代正和,仲田文造,前田清,澤田鉄二,西口幸雄1,加藤保之2,奥野匡宥,曽和融生3, 山本晋史,福島昭治4,平川弘聖1 (1大阪市大・医・一外,2大阪市大・医・腫瘍,3大阪市立総合医療セ,4大阪市大・医・一病理)

Analysis of genetic instability in multiple primary cancer -gastric and colon cancer : Hiroshi OTANI1, Naoyoshi ONODA2, Masakazu YASHIRO, Bunzo NAKATA, Kiyoshi MAEDA, Tetsuji SAWADA, Yukio NISHIGUCHI1, Yasuyuki KATO2, Masahiro OKUNO, Michio SOWA3, Shinji YAMAMOTO, Syoji FUKUSHIMA4, Kosei HIRAKAWA-Y.S.Chung1(1 1st Dept. of Surg., Osaka City Univ. Med. Sch., 2Dept. of Oncol., Osaka City Univ. Med. Sch.,3Osaka General Med. Center, 4 1st Dept. of Path., Osaka City Univ. Med. Sch.)

[目的]発癌の原因の一つとして遺伝子不安定性の関与が報告されている.今回われわれは,胃・大腸重複癌におけるMicrosatellite Instability(MSI)について検討した.[対象と方法]1981〜95年に当科で切除したsporadicな胃・大腸重複癌20例のパラフィン包埋切片より癌部・非癌部のDNAを抽出し,5種類のマイクロサテライトマーカーを用いてMSIとともにLoss of Heterozygosity(LOH)の検索を行った.[結果と考察]重複癌は単発癌に比べMSIが高頻度にみられ,MSIの関与が大きいことが示唆された.同時性重複癌の約半数は,胃癌・大腸癌いずれもMSIが関与することが示唆された.胃癌のMSI陽性患者は全例大腸癌もMSI陽性であったことから,胃癌MSI陽性患者は同時性大腸癌に留意した治療の必要性が示唆された.重複癌においてはMSIによる発癌経路とLOHによる発癌経路が存在する可能性が示唆された.