ABSTRACT 1076(P4-4)
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Differential Display法にて成人T細胞性白血病細胞株から単離した新しい遺伝子HAG-1の遺伝子構造の解析:鈴木裕子1, 久米正晃2, 細川好孝1, 瀬戸加大1 (1愛知がんセ・研・化療, 2秋田大・医・3内)

The genomic organization of a novel gene, HAG-1, isolated from adult T-cell leukemia cell lines : Hiroko SUZUKI1, Masaaki KUME2, Yoshitaka HOSOKAWA1, Masao SETO1 (1Lab. of Chemother., Aichi Cancer Ctr. Res. Inst., 23rd Dept.of Int. Med., Akita Univ. Sch. Med.)

[目的・方法]ATLから樹立した細胞株はしばしば患者白血病細胞とは異なるクローンであることが知られている。これらのHTLV-I陽性細胞株は, 表面形質上ATL細胞と分化段階が類似しているが, ATL細胞とは異なるため, 両者で発現の異なる遺伝子がATLの腫瘍化に関与している可能性がある。我々はこれまでに, Differential Display法にてHTLV-I陽性T細胞に比べATL細胞株において発現が亢進しているcDNAクローン断片を単離し, その全長の塩基配列を決定し, HAG-1 (Hematopoietic cell Activation associated Gene-1)と命名した。また, ノーザン解析によりリンパ球活性化に関与している可能性等を報告してきた。今回, ゲノム遺伝子を単離し遺伝子構造を解析した。[結果・考察]HAG -1遺伝子は14エクソンで構成され, そのエクソン5-11が既知の MBP (eoginophil granule Major Basic Proteine)遺伝子の蛋白非翻訳領域エクソン1-7と全く一致することが明らかになった。MBPは好酸球特異顆粒の一つであり, そのmRNAは1kbと1.6kbの二つの形をとることが報告されている。一方, HAG-1は3.3kbであり, 両者は造血器細胞株での発現分布も異なるため, 同じエクソンを共有するが, 異なる遺伝子と考えられる。現在, プロモーター領域を解析し, HAG-1とMBPの遺伝子構造上での関連を検討している。