ABSTRACT 1077(P4-4)
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SCIDマウスで増殖させたヒト胃癌転移細胞の発現プロフィ−ル解析:加藤誠志1,2, 鎌田貢壽31相模中研, 2ERATO・科技振, 3北里大・医・内)

Expression profile analysis of human metastasized gastric adenocarcinoma grown in a SCID mouse: Seishi KATO1,2, Kouju KAMATA3 (1Sagami Chem. Res. Ctr., 2ERATO, JST, 3Dept. of Int. Med., Kitasato Univ.)

胃癌患者のリンパ節に転移した癌細胞をSCIDマウスに移植・増殖させた組織からmRNAを単離し、DNA-RNAキメラオリゴキャッピング法を用いて完全長cDNAライブラリ−を作製した。このライブラリ−から任意に選択した約10,000クロ−ンの5’末端部分塩基配列を決定することにより、cDNAの分類を行った。その結果、約半分が既知の蛋白質をコ−ドしており、含有量の多い順に上位5位は、calcyclin (1.8%), placental calcium-binding protein (1.1%), interferon alpha-inducible protein p27 (0.8%), ribosomal protein S21 (0.8%), beta-2-microglobulin (0.5%) であった。また、リボソ−ム蛋白質が全体の17%を占めていた。他に、この組織に特異的に発現していると思われる分泌蛋白質が見つかった。さらに、腫瘍内に侵入したマウス血管や血球に由来すると思われるマウス由来のcDNAも約11%含まれていた。得られた発現プロフィ−ルは、胃癌細胞の癌化や転移、さらには癌組織への血管侵入機構などを考える上で、有用な知見を与えるものと思われる。