ABSTRACT 1083(P4-4)
RLGS法によるMSMマウスの遺伝子地図の作成:秋吉信吾1,2,神田浩明1,岡崎康司2,赤間智也2,野村起美恵1,林崎良英2,北川知行1(1癌研・研・病理,2理研・ゲノム科学)
Making of a genetic linkage map of the MSM mouse using restriction landmark genomic scanning (RLGS):Shingo AKIYOSHI1,2, Hiroaki KANDA1, Yasushi OKAZAKI2, Tomoya AKAMA2, Kimie NOMURA1, Yoshihide HAYASHIZAKI2, Tomoyuki KITAGAWA1 (1Dept. Pathol., Cancer Inst., 2RIKEN Genome Sci. Lab)
(目的)MSMマウスは野生マウスで、ラボラトリーマウスとの間には系統発生上約100万年の差異があるといわれている。そのため、両者の間に遺伝的多型が高頻度に存在し、かつ雑種の作成は比較的容易で、発がん機構の遺伝子的解析に適している。このマウスを効率的に活用するため、RLGS法による遺伝子地図の作成を行った。(方法)MSMとC3Hの間のbackcrossを73匹作成し、それらよりDNAを抽出、NotIで切断、末端をラベルしたのち、PvuIIで切断、1次泳動し、ゲル中で更にPstI切断して、2次元展開した。また、PvuIIとPstIの順序を入れ変えて同様に展開を行った。アンカーとしてはMITマーカー78個を用いた。(結果)本研究において、MSMとC3Hとの間で多型を示すスポットの割合は全スポット数の約48%であった。そのうち多型を示すRLGSスポット1371個がY染色体を除くすべての染色体上にマップされた。その連鎖距離数は1430cMであった。(考察)これらの組み合わせは、M.SpretusとC57BLの組み合わせに匹敵する多型を有しながら、かつ交配が容易で、この遺伝子地図は有効ながん研究のツールである。