ABSTRACT 1086(P4-4)
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肺癌株化細胞における第3番染色体短腕ホモ欠失領域を網羅する約1.2Mbの全塩基配列の解析:川添輝1,2、醍醐弥太郎1、西脇忠1、玉利真由美1、小川道雄2、中村祐輔11東大・医科研・ヒトゲノム解析センター・シークエンス解析、2熊本大・医・2外) 

DNA Sequencing and Characterization of a 1.2Mb Region Homozygously Delated in the Lung Cancer Cell Line:Teru KAWASOE1,2,Yataro DAIGO1,Tadashi NISHIWAKI1, Mayumi TAMARI1,Michio OGAWA2,Yusuke NAKAMURA1 (1Dept.Mol.Med.,Inst.Med.Sci., Univ.Tokyo., 2Dept. Surg.II , Kumamoto Univ. Med. Sch., )

ヒト第3番染色体短腕は種々の癌組織において高頻度のLOH (Loss of heterozygosity) が認められており、複数の癌抑制遺伝子の存在が示唆されている。我々は肺癌細胞株におけるホモ欠失領域を含むYACクローン約1200kbのゲノムDNAの全塩基配列の決定を行い詳細なphysical mapを作成した。この領域の塩基配列は比較的高いGC含量(44%)を示しエクソン領域ではさらに顕著な傾向(51%)を示した。L1, Alu等の反復配列は約300コピー数認められた。またこの領域には14個の遺伝子が存在し、VNTRを含む領域に3種類の遺伝子が近接していること、clusterを形成していることが推定される2種類のtransporter遺伝子が隣接して存在すること等が確認され、ゲノム構造と遺伝子発現に関わる興味深い知見が得られた。これまでにintegrin αRLC, PLCD1, ActR -IIB, MyD88, ACAA遺伝子 等、5個の既存の遺伝子と9個の新規遺伝子を単離したが、新たに単離した遺伝子はOCT-1 (organic-cation transporter 1 ), SOK1(sterile oxidant stress response kinase1), xylulokinase, Endonuclease G蛋白等に相同性を有し、この領域には生体の恒常性の維持に重要な遺伝子が多数存在することが示唆された。