ABSTRACT 1087(P4-4)
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膀胱癌における第8番染色体短腕欠失の検討: 大垣憲司1,5、飯田有俊1、窪田吉信2、小川修3,、吉田修4、秋元成太5、江見充11日本医大・老人研・分子生物、2横浜市大・泌、3,秋田大・泌、4京大・泌、5日本医大・泌)

Detail deletion mapping on 8p in primary bladder cancer: Kenji OHGAKI1,5, Aritoshi IIDA1, Yoshinobu KUBOTA2, Osamu OGAWA3,, Osamu YOSHIDA4, Masao AKIMOTO5 and Mitsuru EMI1 (1Dept. Mol. Biol., Inst. Gerontol., Nippon Med. Sch., 2Dept. Urol., Yokohama City Univ., 3Dept. Urol., Akita Univ., 4Dept. Urol., Kyoto Univ., 5Dept. Urol., Nippon Med. Sch.)

【目的】ヒト第8番染色体短腕(8p)は、前立腺癌、肝癌、肺癌、腎癌などの癌において高頻度の染色体欠失が報告されており、未知の癌抑制遺伝子の存在が示唆されている。膀胱癌においても8p欠失の報告はあるが、未だ詳細な欠失地図は報告されていない。我々は膀胱癌の発生、進展における8pの遺伝学的変化を調べるために、ヒト8p欠失地図を作製したので報告する。
【対象・方法】膀胱癌症例82例の癌組織および正常組織より抽出したDNAを検体とし、8p上の19種類のマイクロサテライトマーカーを用いて、PCR法によるLOHの検索を行った。また、各症例における8pの欠失の有無と臨床病理学的諸因子との相関について検討を行うとともに、共通欠失領域のYACによる物理地図を作製した。
【結果】82症例中、30症例(30/82、37%)に1カ所以上のLOHを認めた。さらに各領域ごとのLOHの頻度は20〜46%であった。各症例における欠失領域の検討から8p22領域のYAC766a12に存在するマーカーD8S1135とAFM177XB10間の1 Mb以下に共通欠失領域を限局化した。
【考察】今回の解析の結果より、膀胱癌発生に関係する8p上の未知の癌抑制遺伝子の存在が示唆された。また8p上のLOHはhigh gradeの膀胱癌に高頻度に認められることがわかった。