ABSTRACT 1091(P4-4)
Arbitrarily-primed representational difference analysis (AP-RDA) 法の開発と同法を用いた高性能ラットゲノムマーカーの分離: 吉田幸成1,2, 牛島俊和1, 今井浩三2, 杉村隆1, 長尾美奈子1(1国立がんセ・研・発がん, 2札幌医大・医・1内)
Development of Arbitrarily-primed Representational Difference Analysis (AP-RDA) and Isolation of AP-RDA Makers for The Rat Genome: Yukinari YOSHIDA1,2, Toshikazu USHIJIMA1, Kohzoh IMAI2, Takashi SUGIMURA1, and Minako NAGAO1 (1 Carcinogenesis Div., Natl. Cancer Ctr., Res. Inst., 2 1st Dept. Int. Med., Sapporo Med. Univ. )
[目的] 今後急速に進むと考えられる、癌感受性ラットをはじめとした様々な疾患モデルラットのQTL (quantitative trait loci) 解析に応用可能な高性能ラットゲノムマーカーを分離する方法を開発する。[方法] (1) AP-PCR法によるampliconの作成: 制限酵素部位を含むarbitrary primerを用いて、ACI及びBUFラットのゲノムDNAを鋳型にPCRを行う。 (2) RDA法: BUF ラットDNA由来のampliconをtester、 ACI ラットDNA由来のampliconをdriverに用いて競合的hybridizationを行い、testerのampliconにのみ存在するDNA断片を分離する。[結果] 本法により、1 primerあたり平均10〜20個の多型マーカー(AP-RDA marker) が分離可能であり、従来のAP-PCR法に比べ5〜10倍の検出率であった。 本マーカーによるgenotypingは電気泳動を必要とせず、ドットブロット法を用いるため、QTL解析に必要な多数の個体のtypingを、microsatellite markerに比べ簡便かつ効率的に行うことができる。よって、その実用化は疾患モデルラットのlinkage mappingを画期的に迅速化するポテンシャルがある。