ABSTRACT 1092(P4-4)
多発性骨髄腫におけるc-MYC/IgH遺伝子 融合:西田一弘,田村明子,中澤直三,小林 都,植田豊,加嶋敬,谷脇雅史(京都府立医大・3内)
C-MYC/IgH gene-fusion detected by double-colorFISH in multiple myeloma : Kazuhiro NISHIDA, Akiko TAMURA,Naozo NAKAZAWA, Miyako KOBAYASHI,Yutaka UEDA, Kei KASHIMA, Masafumi TANIWAKI (3rd Dept. Int. Med., Kyoto Pref. Univ. Med.)
〔目的〕多発性骨髄腫(MM)および類縁疾患では高頻度(72.3%)にIgH遺伝子転座を認める(Nishida et al.Blood 90:526,1997)。IgH転座陽性の25例について t(8;14)(q24;q32)の頻度をdouble-color FISH (DC-FISH)法を用いてIgHとc-MYCのゲノム融合で検討したので報告する。〔対象および方法〕対象は、MM21例、形質細胞性白血病3例、形質細胞腫1例の計25例である。男性16例、女性9例。年齢は、39ー85歳。方法は骨髄血・末梢血・胸水を用い染色体分析を行い,残りペレをFISHに供した。c-MYCを含むプローブにはYACI2と、そのセントロメア側をカバーするP72(Croce教授より供与された),VHのYACとIgγ1-10のphageを用い,既報(Taniwaki,Nishida, et al. Blood 85:3223,1995)の如くDC-FISHを行った。〔結果および考察〕核型分析では25例中1例(4.0%)にt(8;14)を認めた。一方、 FISH法では25例中9例(36.0%)にc-MYC/IgH転座を検出した。 MMではt(8;14)が散発的に報告されているが、間期核FISH法でその頻度が高いことが明らかになった。 t(8;14)転座はMMの発症に密接に関与していると考えられる。さらに、8q24.1はMMに特異的な染色体切断点であり、ポジショナルクローニングの指標となる。