ABSTRACT 1093(P4-4)
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鹿児島と中国の胃のB細胞性悪性リンパ腫細胞の免疫グロブリン重鎖遺伝子 (IgH)の分子病理学的比較検討:蓮井和久1, 佐藤栄一1, 末吉和宣2, 田中貞夫3, 納光弘4 (1鹿児島大・病理, 2鹿児島市立病院・病理, 3鹿児島市医師会病院・病理, 4鹿児島大・3内科)

A molllecular pathological comparative analysis of immunoglobulin heavy chain in gastric B-cell lymphoma cells in Kagoshima and in China: Kazuhisa HASUI1, Eiichi SATO1, Kazunobu SUEYOSHI2, Sadao TANAKA3, Mitsuhiro OSAME4 (12nd Dept. of Pathol., Kagoshima Univ., 2Dept. of Pathol., Kagoshima Munici. Hosp., 3Dept of Pathol, Kagoshima Med. Associ. Hosp., 43rd Dept. of Int. Med., Kagoshima Univ.)

鹿児島と中国の胃のB細胞性悪性リンパ腫(gBML)に分子病理学的相違の有無を知る為に, gBML細胞のIgHをPCRにより検索した。材料は, 中国の9例のgBML(賈心善・中国医科大の提供)と鹿児島の6例のgBMLと2例の節外性リンパ腫(eBML)のパラフィン包埋切片である。DNA抽出とPCRは、脱パラ後に核染し実体顕微鏡下で少数個の細胞をPCR用チューブに採取し、proteinase Kで消化し, Fr3AとLJHのprimersを用いた2 times PCRを行った。中国のgBMLでは1例のみに、鹿児島のgBMLとeBMLでは4例で特異なDNA増幅が見られた。鹿児島例のMALT型2例では幅広いDNA増幅を認めた。鹿児島のgBMLの2例で増幅されたDNAの核酸塩基配列は、通常は抗体産生のない物質と高い類似性を示した。従って、中国のgBMLには免疫グロブリン軽鎖遺伝子に異常がある例が多いことが考えられ、鹿児島のgBMLのIgHの核酸塩基配列からgBML細胞は免疫監視機序より逃れた異常クローンあることを示唆すると見なされた。