ABSTRACT 1099(P4-4)
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CGHによる未分化型胃癌の染色体コピー数の解析:岡田勝治,杉原洋行,馬場正道,服部隆則(滋賀医大第一病理)

Analysis of chromosomal copy number by comparative genomic hybridization in undifferentiated-type carcinoma of the stomach : Katsuji OKADA,Hiroyuki SUGIHARA, Masamichi BAMBA,Takanori HATTORI ( 1st Dept. of Pathology, Shiga Univ. of Med. Sci.)

[目的] 進展の比較的初期に起こるDNAの変化をとらえるために、DNA diploid 腫瘍の未分化型胃癌の全染色体にわたって各segmentsのコピー数をCGHを用いて解析した。
[材料・方法] 印環細胞癌の成分を含む未分化型胃癌8症例にみられた早期癌6病変、進行癌4病変を用いた。それぞれの新鮮凍結組織の腫瘍細胞に富んだ粘膜病変をトリミングし、その50μm切片からDNA抽出と細胞単離を行った。単離細胞は、顕微測光によるDNA ploidy patternの決定と、染色体特異的プローブによるFISHに用いた。腫瘍及び正常組織からフェノール・クロロホルム法で抽出したDNAを、nick translationで蛍光標識し、CGHに用いた。
[結果・考察] 早期癌では有意な染色体のコピー数の変化は認めなかったが、進行癌では複数の染色体コピー数の変化が4病変中2病変で検出された。その2病変で共通した染色体変化は+7であった。その内の1病変では+7が唯一の変化であった部分が一部に見られた。これらの病変では、早期から進行期の進展に、7番染色体上の遺伝子のコピー数の増加が関与していると考えられる。未分化型の培養胃癌細胞についても検討した結果を報告する。